通常国会も終盤ですが、そもそも政府・与党は夏に参院選があることを踏まえてか、国会に提出する法案の数を絞ってきていました。特に与野党対立法案が少なく、すでに消化試合の印象さえ漂っています。そこで今日は、迷走する安倍外交について書いてみます。まずは北方四島の問題。総理は昨秋突然「日ソ共同宣言を基礎に交渉を加速する」と言い出しました。ただしこれによって、日本は「北方四島を我が国を固有の領土」と言えなくなり、またロシアからは第二次世界大戦の結果を受け入れよと迫られたり、明らかに立場が後退しています。日露外交の進展を期待させて割に、成果は何もありません。次に北朝鮮問題。総理はこれも突然「条件をつけずに金正恩委員長と会う」と言い出しました。これで「我が国は拉致問題で進展がなければ会わない」というこれまでの立場を言えなくなり、圧力をかけられなくなりました。その直後に、北朝鮮は弾道ミサイルを発射。これに対して政権は「飛翔体」と呼んで、北朝鮮を非難しようとはしませんでした。成果はなく、後退につぐ後退で迷走と言 われても反論もできないでしょう。今月末にはトランプ大統領も来日します。引き続き厳しい視線をもって対峙して参ります。12:00