元厚生事務次官らの自宅が襲撃された事件の犯人が自首。まだ事件の背景などは詳らかではありませんが、世間のちょっと変な空気を反映した事件だけに、全容解明を急いでもらいたいところです。さて、この3連休、私の睡眠時間を奪ってくれた感動の1冊を紹介しましょう。直木賞作家の重松清の最新刊「とんび」は、「とんびが鷹を生んだ」の言葉通り、両親のいないヤスさんが、男手ひとつで息子アキラを育てる物語。2人の主人公だけでなく、関わる周辺の人たちの描写がうまいんです。意地を張ったり、ヘソを曲げたり、筋を通したり、言葉がなくても通じ合えたりと、人情の機微がたっぷり詰まった長編で、おそらく著者の最高傑作でしょう。各章で必ず1度は涙がこぼれることをお約束できますし、こういう小説を「くさい」と一蹴する人間にはなりたくないと思いました。お薦めです。16:45