社会現象になりつつある村上春樹の「1Q84」は今だに手付かずですが、私のお薦めは山崎豊子の新刊「運命の人」。彼女作品は、ほとんどがノンフィクション仕立てですが、実名を少し変えてあるぐらいで、事件をかなり忠実に再現した小説になっているところが魅力でしょう。その圧倒的な取材力には、小説を書き上げることへの執念すら感じます。今回は「沖縄返還交渉密約事件」がテーマで、主人公は密約を暴いた新聞記者。密約に関する「政府の嘘」は、最近も「核持ち込み」問題で、元外務次官が密約があったとする発言をして話題になったところ。政権交代を機に、長年肯定できなかった「政府の嘘」を、国民に開示できる時が来るはずと思いながら、全4巻を完読しました。ちなみに、山崎豊子作品で私の1番は、中国残留孤児をテーマにした「大地の子」です。さぁ、そろそろ都議選も佳境に差し掛かって来ました。11:15