月の初めにここ数日夢中になって読み上げた新刊を紹介します。「渡邊恒雄・メディアと権力」で話題となった魚住昭氏の新著で「野中広務・差別と権力」です。総理をはじめ閣僚の大半を二世議員が占める自民党にあって、20代から地方議会を経験し、還暦間近にようやく国政に駒を進め、権力の中枢でその手腕を発揮した野中氏。部落差別という重い十字架を背負いながら、半世紀にわたる権力闘争の修羅場をくぐり抜けてきたこの政治家は、政敵を叩き潰す強面の顔と弱者への優しい眼差しを持っていました。この二律背反的な人間性、そして影の総理と呼ばれた男の光と影。この夏イチ推しノンフィクションです。17:15