衆議院議員手塚よしおWEB。立憲民主党 東京都第5区(世田谷)。都議1期、衆院5期、元内閣総理大臣補佐官。現在、立憲民主党幹事長代理、東京都連幹事長など。

2005年3月21日 「ある朝僕は-インターン日記」海老原史明

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  • 2005年3月21日 「ある朝僕は-インターン日記」海老原史明

 こんにちは。慶應義塾大学法学部政治学科2年・海老原史明・牡羊座です。
 今回は、自分のこれまでのインターン活動全体の様子や内容、自分の感じたことなどを1日の日記としてまとめてみました。
 ある朝僕は武蔵小山という駅に降り立った。息が白い、手がかじかむ。こんなに朝早く起きたのは何年ぶりだろうか…。
 体も早い目覚めにまだびっくりしていた。「おいちょっちょっと待てよおまえ~」と言われているようにだるい。そこへ平野春望さんがビシッときめたスーツ姿で現れた。僕も自然と姿勢を正す。
 駅頭演説の手伝いが今日が初めての僕は軽い指導を受けた。ビラは相手の手の位置に出すようにする。笑顔が大事。代議士のポスターを貼った看板を隠さないようにする。などなどである。もちろんインターン生だからといって何から何まで教えてくれるものではなく、基本的なことだけを聞き、あとは見真似で学んでいかなくてはならない。
 手塚代議士の到着とともにいよいよ僕の今朝のインターン活動が始まった。
「おはようございます。民進党手塚よしおでございます」
という挨拶と同時にビラを通学・通勤途中の方々にお渡しする。とにかく最初は「海老原史明でございま~す」
と間抜けに言ってしまわないようにだけ気をつけた。前半戦は、今までにティッシュ配りやビラ配りの経験がない僕の内面の照れが自然と行動に出てしまい、順調にはいかなかった。
 ふと横の道を見ると、僕のいる道よりも圧倒的に通行人が少ないにもかかわらずビラをまるでティッシュのようにさばいている職人がいた。橘秀樹さんだ。僕にはおでこにはないはずのはちまきさえ見えた。この光景が僕の闘争心に火をつけた。声を大きくし、明るい笑顔で目を合わせ、心から「今日一日頑張ってください」との思いを込めつつビラを差し出した。…成功!
 手塚事務所と有権者の方々の橋渡しになれたことを実感した瞬間だった。インターンやってよかったと思えた瞬間だ。ビラ渡しで橋渡しに。みたいな…。
 一気に冷えた。そんな寒さにもめげず、一気にモチベーションが急増した僕は調子に乗って一人緊急作戦会議を開いた。
「はい、この中で意見ある人は?」
「はい」
「はい、海老原」
「一気に2枚渡してしまうってのはどうでしょう?」
「SHINE」
「はい」
「はい、隣の海老原」
「じゃあ、少し強引に渡してしまうのは?」
「ふぅ~。いいかおまえら、自分の行動の目的をまず考えろ。これは最終的には手塚さんに少しでも興味をもってもらうことを目的としている。そのためにはまず名前を覚えてもらったり好印象を与えておくことが必要だということをしっかりと頭に入れておけ!ビラは渡せずとも挨拶だけでも意味はあるんだ。今日はもう解散!」
 こうして結局何も決まらず僕は場当たり的戦術を駆使せざるを得なかった。
 ふと、僕の目は左斜め前方におにぎりをくわえたおばちゃんをとらえた。迷わず突撃。すると少し照れた顔で愛想良く受け取ってくれた。僕はまたおにぎりをくわえたおばちゃんを探した。必死に探した。脇目も振らず探した。その時!あっ…しっしもたああ!重大なことに気づいて僕は思わず天を仰いだ。あまりのやる気に体が乗り出し、ポスターを貼った看板の前に立って、通行人の方々から看板を見えなくしてしまっていたのだ。まさに本末転倒…。それ以前に、おにぎりをくわえたおばちゃんがそんなにたくさんいるはずもない…。
 僕はがっくりと肩をおとした。そしてすぐに立ち直った。スクッとね。常に自分の行動の意味・目的を考えて行動すること、常に周りに気を配ることの重要性を改めて感じた瞬間だった。
 1時間はあっという間だった。いろんな思いが交錯する中、素直に楽しく感じた。途中何度も駅の方で演説をしている代議士を見て強い安心感を得たことが、僕の得た充実感を作り上げた一因であることは間違いない。やはり、多くの有権者の方々の支持を集めることができる何かが僕には感じられた。
 そのsomethingが果たして一体なんなのか?それを学ぶのは残りのインターンの課題としよう。この朝のビラ配りや今までのインターンだけで、社会に対して当事者意識がもてた、政治家の生の姿がわかったなどというようなかっこいいことは言わない。インターンを終えるその時までどん欲に学ぼうと決めた。
 その後の朝食でご馳走になったコーヒーは少し苦く、僕の心を今までより幾分引き締めた気がした。

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