衆議院議員手塚よしおWEB。立憲民主党 東京都第5区(世田谷)。都議1期、衆院5期、元内閣総理大臣補佐官。現在、立憲民主党幹事長代理、東京都連幹事長など。

2004年10月4日 「モラトリアムと言われても-インターン日記2」小幡 創

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 もう桜もすっかりさわやかな緑色になり、春というには遅くなりつつあった4月の末、私はひとつの決心をしました。
「大学4年で卒業せず、1年留年しよう」
何を甘えたことをと思われる方も多いかもしれません。確かに経済的な自立を先延ばしすることで負担を強いられるのは私の両親であるし、甘えだ、モラトリアムだといわれるのは仕方がないでしょう。私自身、凍えるような寒さの中、1月に就職活動を始めた頃は、まさか自分からこのような決意に至るとは思ってもいなかったのです。
 ただ、この時の決心が、議員インターンとの、ひいては今の手塚事務所との出会いを生むきっかけとなっていることは間違いありません。私が志望していた業界は比較的選考が進むのが早く、4月下旬頃にはめぼしい企業の選考は終了していました。そして、多くの私の同級生と同じように私もいくつもの敗北を喫し、ついに選考に残っている企業がひとつもない状態に陥ってしまったのです。いわゆる「持ち駒なし」という状況です。それでも4月下旬といえば就職活動真っ盛り。まだまだあきらめるには早い。事実、私と同じような状況から、あきらめず活動を続けて5月に世界的大企業から内定をもらった友人もいました。
 だが私は迷いました。
「このまま志望してもいない業界に手を広げてまで、とにかく何でもいいから就職を目指すのか?」
「そもそも今まで自分はどうしてこの業界・企業に興味を持っていたのか?」
そうした単純な疑問にも答えられなくなっていたのです。
「そもそもハタラクってなんだろう・・・?」
独りで考え込むのは良くないもので、だんだん悩みは哲学的になっていきます。
「考えてみればこの3年間サークルとバイトばかりで、単調な大学生活だったのでは・・・。」
そんな思いもありました。
 時間が欲しい。考える時間、新しい経験を積む時間が。10日間ほどの引きこもり葛藤生活を経て、私は冒頭で書いた決心に至りました。後ろめたい気持ちもあったが、決意は固まりました。
 ここから手塚事務所インターンへの道が始まります。引き延ばした1年を使ってやりたいことがいくつかありました。そのひとつが
「いままで知ることのなかった世界に首を突っ込み、色々な人生の在り方をこの目で見ること。」
 なにしろ大学生の世界は狭く、人生の在り方といってもサラリーマンになるか、公務員になるか、資格試験か、大学院進学か、その程度です。そしておそらく私も、来年再び企業就職を目指すことでしょう。ただその前に、大学からは見えないような様々な「人生」を知り、その人たちが日々なにを考えているのかを知り、自分の人生の参考にしたかったのです。
 議員インターンを選んだのは、この先政治の世界に関わることは当分ないだろう、関わるなら学生の今しかないと思ったからです。その中でも学生に対してオープンな環境を持つ事務所を選びました。そうして辿り着いたのがこの手塚よしお事務所なのです。
 正直、これまでのサークルやアルバイトの仕事に比べても、インターンの仕事はキツイとか大変だとは感じていません。しかし、それでもインターンから得るものがありました。代議士や秘書の方々と一緒に仕事をしていく中で彼らの生き方、考え方に触れるのはとても刺激的だし、自分の人生も少し客観的に見ることが出来るような気がします。むしろ重要なのは仕事の大変さばかりではないのではないかと思います。
 いつしか酷暑の日々も和らぎ、秋の虫の音が聞こえるようになりました。私は少しでも変わることが出来たのでしょうか。それはまだよくわかりませんが、きっと、この延ばした1年が無駄ではなかったと思う日が来ると信じています。
 政治に興味があってインターンに参加するのだろうと思われることが多い中、こんなことを考えてインターンをしている奴もいるんだよ、というお話でした。

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