衆議院議員手塚よしおWEB。立憲民主党 東京都第5区(世田谷)。都議1期、衆院5期、元内閣総理大臣補佐官。現在、立憲民主党幹事長代理、東京都連幹事長など。

2009年11月9日「陳情裏話」土橋雄宇

 今回は趣を変えて、陳情裏話を少々。
 政治家事務所に持ち込まれる陳情ごとは、実に多岐に渉る。年金記録のことで不明確な部分があるから相談にのって欲しいとか、子どもの通学路にカーブミラーをつけた方がいいんじゃないかとか、保育園・幼稚園の入園の相談ごとなど、公共性の高い地域の問題から個人的な悩み事まで様々だ。少し大きい話になると、マンション建設にまつわる日照権の問題や、駅前の駐輪場整備の課題なんかが持ち込まれることもある。
 ただ、このご時世に、政治家が影響力を発揮して個別の案件を特定の方向に誘導したりすることは、相談者が思っているよりも難しいのが実情だ。仮に、口を差し挟むことが出来たとしても、かえってマイナスになってしまい、逆効果なケースも。もちろん、そこに明確な法律違反が存在したり、立法や行政の不作為で誰かが不利益を被っている場合には、全力で関係各所に働きかけをして、不公正な状況を是正するのが政治家の務めではある。
 だいぶ昔には、交通違反を揉み消すなんて陳情処理も、ごく一部ではあったなんて噂もちらほら耳にするが、現在では大臣クラスの事務所でも、そんなバカなことは全くと言っていいほど不可能なようだ。
 では、政治家の事務所が陳情に対してできることが何かと言えば、その問題をどこの窓口に相談したら、より解決の糸口が見つかりやすいのかをアドバイスすることや、一般にはなかなか知れ渡っていない行政サービスの案内を丁寧にさせてもらうことがほとんどだったりする。
 加えて、陳情に対応する際の手塚よしおの強みとしては、言わずと知れた企業献金を受け取っていないこと。時に、ムダが明らかな公共事業の問題を追及する時も、特定の建設会社などに遠慮をする必要が一切ないので、中立・公正な立場から物事の判断に臨めるのだ。
 そんな手塚よしお事務所に最近持ち込まれた地域の問題を2つ。
 1つは、二子玉川南地区の多摩川堤防事業。
 23区内で最後の無堤防地域であるこの地区への新堤防の建設は、住民の生命と財産を守るとの題目のもと、一見すると推進が当然のようにも思える。しかし、その計画詳細をつぶさに見ると、そもそもの事業計画の基礎となる計画高水位の算出根拠が稀薄だったり、地元住民の合意を得るための説明が不十分だったり、諸手を挙げて築堤事業に賛同できる状況からは程遠い。
 もう1つは、中目黒地区の防衛省・国際協力センターの建設事業。
 こちらも、そもそもの建設目的が不明瞭であることに加え、建物内にプルトニウムの存在が明らかになるなど、現計画をそのまま進められるような代物ではない。
 とはいえ、「政権交代」は、決して「魔法の杖」ではない。例えば、国交省の政務三役のもとには、全国各地から公共事業の中止を求める要請が次々へと寄せられているという。そして、それに呼応するかのように、事業継続を求める賛成の立場からの陳情も相次ぎ、機能はパンク状態だとのこと。
 政治にはある程度の継続性が求めれる部分があるゆえ、政権が代わったので、明日からこの工事をすぐに止めます、とストレートにいかないのも現実なのだ。
 さらに、民進党では、政治家と陳情者との関係をクリアにすることを目指して、党や内閣への陳情を、幹事長室で一本化して集約する仕組づくりを検討しているようである。技術的には簡単なことではなく、しばらくは模索が続きそうだが、どんなシステムが作られようとも、各陳情に対する最後の判断は、手塚よしおの政治家としての信念が唯一の基準となる。より多くの有権者の幸せづくり、公正・公平な社会づくりを目指して、誠実にそれぞれの陳情と向き合っていきたい。
 陳情裏話のついでに、秘書から代議士へ、事務所の切実な陳情をひとつ。まもなく議員会館入居から2ヵ月を迎え、オフィス用品もだいぶ整い、機能も充実してきた国会事務所。冬を迎えるその前に、冷たいお弁当を暖められる「電子レンジ」をひとつ導入しませんか。
 伊藤都議か松田区議にでも、口利きしてもらおうかな…。いや、逆効果のケースかな…。

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