衆議院議員手塚よしおWEB。立憲民主党 東京都第5区(世田谷)。都議1期、衆院5期、元内閣総理大臣補佐官。現在、立憲民主党幹事長代理、東京都連幹事長など。

2005年3月28日 「さらば愛するヒゲよ」岡本文夫

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 手塚の秘書になって早3年半。当然の流れとして、私の数多い友人たちも熱心な手塚よしおのホームページの読者になりました。ある日、そうした友人のひとりから電話がありました。
「オイッ!岡本!お前、ついにヒゲを剃ったのか?」
昨年ホームページを一新した際に、手塚秘書軍団の写真も最新のものに更新したのですが、私の写真を確認して友人は驚いて電話をくれたのでした。
 友人を驚かすほど、私のヒゲは顔の一部、肖像権を主張するヒゲでした。ビジネスマン時代、私はサウディアラビアに合計8年間駐在したことがあります。アラブの世界ではヒゲは成人の象徴、日本の元服に相当します。ヒゲを蓄えていない男は、無毛症以外には存在しません。深い社会慣習となっている証拠に、アラブ人は固い約束をする際に「お前!そのヒゲにかけて誓うか?」という表現をします。そして、駐在期間だけ周囲に蓄髭の迎合をして、帰国するとヒゲを剃ってしまう外国人を軽蔑するのです。アラブの友人がいまだにメールをくれる私としては、帰国した後もヒゲを大切にして、ヒゲとの付き合いは20年に及びました。
 帰国後も、ヤマニ石油大臣始め、現在OPECを取り仕切るナイミ石油大臣など要人が来日される度に、アラブ人あしらいがうまいと定評のあった私は滞在中の接遇役を仰せつかったものでした。閣僚、王族の皆さんは私を見て、異口同音に仰いました。
「いいヒゲしてるじゃないか。サウディアラビアにいたことがあるのか?」
これに対して、私はいつもジョークを返したものでした。
「簡単な理由ですよ。年々頭髪が薄くなるもんで、別のもので顔を覆っているだけですよ」
 さて、大事な大事な愛ヒゲを失うことになったのは、私の一世一代の大失敗、事務所冠水事件(2004年8月「不始末日記」参照)のおかげでした。土下座して謝罪する私に、井上秘書の冷たい一言が追い討ちをかけました。
「アラブの謝罪を見せてください」
酔った勢いは怖いもの。手塚も同席していた飲み会で、ついに私は宣言してしまったのでした。
「ようし!それならヒゲを剃ってやらぁ!」
これには手塚も大喜び。右翼か暴力団に間違われかねないヒゲは、本来、政治家事務所では歓迎されないもののようでした。おまけに、家族にも思わぬ波及効果がありました。ヒゲが嫌いであった娘は大喜び、オヤジが二度と蓄髭しないように早速フィリップスのシェーバーを買ってくれたのです。
 周囲の歓迎に反するようですが、私は再びヒゲをはやす機会を窺っています。体育会系の手塚事務所のこと。この次に大チョンボをした場合、次に剃るのは頭髪になる危険性があります。こちらの方は、中村秘書と同様で剃るともう生えてこない恐れがあります。そのためにも、もう一度ヒゲを生やして防護策を構じておく必要があるのではと、思い悩むオジサン秘書なのです。いずれにせよ、アラブの友人たちよ、ゴメンな!

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