衆議院議員手塚よしおWEB。立憲民主党 東京都第5区(世田谷)。都議1期、衆院5期、元内閣総理大臣補佐官。現在、立憲民主党幹事長代理、東京都連幹事長など。

2011年3月1日 内野席「河村旋風」伊藤 悠

「なんで議員さんだけが特別な年金をもらわにゃいかんですか?議員さんとタバコ屋さんとお酒屋さんで何がちがうんですか?みーんな同じ国民年金でええじゃないですか。それで足りなければ国民年金いう、どえりゃーいい制度もあるんだから、そっちには入ったらよろしいでしょ」
都議会に招かれた河村たかし衆院議員(当時)は、20人の若手都議を前に持論を展開していた。今からちょうど4年前のことである。
都議会民進党では、国会議員の議員年金制度が廃止されたのを受けて、地方議員の年金制度を廃止するように動き出しており、議員特権に詳しい河村氏を講師に招こうということになった。
河村氏の論点は明瞭。国会議員は給料もらい過ぎ。地方議員は無報酬でもいいくらい。世界の議会を比較しても日本の議員ほど給料をもらっているところはないという。
実際、地方議員にまで議員年金制度を設けている国はほとんどなく、議員の報酬も比較的高い。
「地方議員はみんなボランティアでやったらよろしいじゃないですか。そういう国が何ぼでもあるじゃないですか」
その時はみんな、
「おいおい、年金の話ならともかく都議を前にボランティアでもいい、は言いすぎだろ!」
というムードが漂いながらも、
「まあ、余談だから」
という程度だった。ところが4年経って、名古屋ショックは状況を一変させている。
「次は東京か?大阪か?」
議員報酬が削られ、定数が大幅に削減される恐怖心が議員の間に充満し、
「定数が半減して落選するのと、報酬半減に賛成して当選するのと、どっちがいいかな?」
なんて真剣に悩んでいる議員まで出てきている。
そうして考えると、2人の政治家の言葉が思い起こされる。
1人は長妻昭氏だ。長妻さんから聞いた言葉の中に
「議員は少なくても自分のもらっている報酬分以上の税金のムダ遣いを正すべきだ」
という印象的なものがあった。僕にとって座右の銘になっている。
もう1人は、元目黒区議の下岡こうじさんだ。
「伊藤くんね、区議会議員いうのはみんな見てるんだよね。普段どこに住んで、何を食べて、どんな車乗っているかいうことを、近所の人たちがみんな見てるんですよ。僕なんか、下岡さんお給料もらいすぎてますね、なんていっぺんも言われたことないですよ。その代わり何時に役所に行っているかも知ってますから、ちゃんと仕事しないとすぐにばれちゃうんだよね」
そう笑って教えてくれた下岡さんは、引退直前まで上位当選を続け、惜しまれて勇退されると、
「目黒は議員年金だけじゃ生活していけないからね、千葉の方に引っ越すことにしましたよ」
と言って、住み慣れた目黒を離れざるをえなかった。
下岡さんの引退劇を知る人で、働いていない、給料を取りすぎと非難する人はいない。一方で、殆どの区民は議員一人一人の仕事ぶりや個性を知らない。
知らない相手に対して、冷酷になれるのは誰でも一緒で、まして相手が議員ともなれば、減らせ、なくせの大合唱になりがちだ。議員は報酬分以上の仕事振りを伝える努力をしないと、この国の地方議会から下岡さんのような賢人がどんどん失われていくだろう。まずは、議員の給料と仕事振りを公開の場で仕分けした方がよさそうだ。

内野席・外野席

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