衆議院議員手塚よしおWEB。立憲民主党 東京都第5区(世田谷)。都議1期、衆院5期、元内閣総理大臣補佐官。現在、立憲民主党幹事長代理、東京都連幹事長など。

2016年5月9日 内野席「民主党の閉幕」伊藤 悠

先月の4月、3年ぶりに永田町の党本部を訪れた。この本部ビルは、いわゆる自社物件の自民党の本部や社民党の本部ビルと違い、賃貸ビル。
私が21歳そこそこで秘書になった頃から、このビルは民主党ビルとして君臨していたものの、当時は3フロアを借りる程度の所帯であった。名称も民主党ビルというよりペンタックスビルの中に民主党本部が入っていると表現した方が正確だった。それが、このビルを訪れるたびに借り上げフロアが1フロア、また1フロアと増え続けていく。増え続けるフロアが党勢を象徴するようで、ベンチャー企業が上場へ向かうような高揚感を与えてもくれた。
その高揚感に包まれていた頃には民主党がなくなることを想像せずに活動できたのだから幸せだった。しかし、民主党政権の崩壊と所属議員の激減による党勢の低下は明らかだったので、借り上げフロアがどれだけ減っているかとエレベーター横の案内表示をみたところ、意外にも「民進党」で全館を借り上げていた。これにはちょっと驚いた。
民進党として所属議員の数が増えたこともあるかもしれないが、それはあとのことで、新党決定前からフロアの縮小をせずにここまで維持してきたわけだから。
この全館借り上げの事実を目の当たりにして、ずいぶん昔の記憶の引き出しから急に飛び出してきたエピソードがあった。それは衆院選初挑戦で落選し、次なる総選挙での戦いを目指して中目黒の駅前のビルの一室、現在はソフトバンクが入っているビルを事務所として借り上げていた手塚さんが当時、口にしていた言葉だった。
「目黒でも最も高い家賃のオフィスをあえて浪人生が借りているのは、次の選挙で勝つためのファイティングポーズ」
それも意地とか、意思とかの現れだったのだろうと思うと、民進党の本部ビルからも、株価が下がってもなお、上場企業としての誇りと再浮上を目指す意地を感じるようだった。
さて、民主党が民進党に改まって、一気に支持率が上がる秘策は見当たらない。けれども、安倍政治に対する対立軸は日々鮮明になってきているわけで、この本部ビルはいわば安倍政治や自民党政治へのレジスタンスの拠点でもある。
この拠点を支え、レジスタンスからいつしか政権政党の本拠地とするためには、一つ一つの選挙で勝利して、勝利のたびに石垣を積む息の長い努力をするほかない。
その際に、党という大企業に集う人を統制し、士気を高め、人心を集めるためにはビルもさることながら、意地でも維持しなくてはいけないのは「理念」だ。安倍政権こそ、民進党の理念を浮き彫りにしてくれる好敵手である。
大地震に襲われながらもわずかな石垣でなんとか踏みとどまっている熊本城に勇気付けられる。踏みとどまり、石垣となる議員を増やそう。私も石垣になりたいと改めて決意する。

内野席・外野席

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