衆議院議員手塚よしおWEB。立憲民主党 東京都第5区(世田谷)。都議1期、衆院5期、元内閣総理大臣補佐官。現在、立憲民主党幹事長代理、東京都連幹事長など。

2018年9月3日 内野席「目黒区議の責任」西﨑翔

 3月に目黒区内で発生した児童虐待死事件は、警視庁による女児のノート公開を受けて、再び日本中で話題となりました。「おねがい、ゆるして」という、あまりにも胸の痛む文章には、深い悲しみと怒りを感じざるを得ません。
世間では児童相談所への批判が相次ぎ、親権停止や警察との連携、児相間の引き継ぎといった改善点が、有識者やメディアによって指摘されています。
 これらに大きな異論はありません。しかしながら、これらは虐待発生後の対策です。最も愛し守ってくれるはずの親から暴力やネグレクトを受けるという、想像を絶する辛さを子どもが味わってからの話なのです。児相の体制強化は、子どもの命を守る観点からは重要ですが、根本的な問題解決にはなりません。
いかに虐待の発生そのものを抑制し、苦しむ子どもと親を減らしていくか。私は、こちらが本当に目指すべき方向であると見定め、これまで活動してきました。
 そもそも、初めから虐待するつもりの親などいません。むしろ、わが子を愛し、理想的な親を目指しながらも、日常の育児や生活環境に悩み苦しんで、虐待に発展してしまうケースが後を絶たないのです。核家族化が進み、地域の繋がりも希薄な現代においては尚更です。
 そこで必要なのは、官民を問わず徹底的に子育てを応援する社会づくりです。例えば行政では、妊娠期から出産・子育て期までを切れ目なく支えるネウボラ事業。東京都では、2015年度から「ゆりかご・とうきょう」が始まり、目黒区も導入していますが、子育て中に「誰かに頼ってもいい」という雰囲気をもっと広げていかなければなりません。
 立憲民主党も他党と共同で「産後ケアセンター設置法案」を衆院に提出し、産褥期の母子を支える政策を明確に打ち出しています。また、民間の働き方改革も密接に関わっています。特に、長時間労働によって父親が家事・育児に関われない場合、母親の孤立は深まっていくため、現在の労働慣行を大いにあらためる必要があります。立法事実の不明な高プロを進めている場合ではありません。
 さらに、別の観点から、学校での性教育や命の教育を充実させることも重要です。少し前に、足立区の授業に教委を介入させた都議が問題となりましたが、中高生の性に関する知識や認識の不足によって、予期せぬ妊娠をさせたり、したり、男が逃げたり、残された母子で虐待が発生したりしています。厚労省の調査では、児童虐待死が最も多いのは、子どもが0歳0ヶ月0日の時であると判明しています。これらの多くは、現代の実情に合わせた教育によって、未然防止が可能だったのではないでしょうか。つまり、大事なのは対症療法ではなく原因療法だということです。今回の事件を教訓とし、虐待死だけでなく、虐待に苦しむ子も親も生み出さない社会をつくる。それが、事件を起こしてしまった目黒区の、住民に最も近い区議会議員としての責任です。

内野席・外野席

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