衆議院議員手塚よしおWEB。立憲民主党 東京都第5区(世田谷)。都議1期、衆院5期、元内閣総理大臣補佐官。現在、立憲民主党幹事長代理、東京都連幹事長など。

2010年8月2日 内野席「歩行者天国と地獄」伊藤 悠

祭りごとが政(マツリゴト)とになったとすれば、政治家を選ぶ「選挙」は「お祭り」そのものだ。
投票日に近づくほど街の空気に緊張感が増し、当選と落選という天国と地獄の境目を見たい有権者の心理が働く終盤戦は、出走直前の競馬場のような空気になる。
その空気が最高潮に達した投票日の前日、日本一の繁華街である銀座4丁目交差点に蓮舫大臣が降り立ったのだから、歩行者の関心が集まらないわけがない。
肩からぶら下げたハンドスピーカーで
「あと10分で蓮舫さんがここに来ますよー!」
とアナウンスしただけで、集まる集まる、銀ブラ中の歩行者の皆さん。
「ここに? ここに蓮舫さんが来るの?」
「はい、こちらに来ます」
「本物?」
「ええ、偽者ではありません」
なんてアナウンスによって、銀座4丁目の交差点には歩行者が携帯をかざして待ち受けていた。
かたや土曜の歩行者天国には、まったく馴染まない浮きまくりの集団が待ち受けていた。真夏の炎天下でも黒のスーツを脱がない集団、そう、警視庁警護課のSPの皆さん。 「歩行者の皆さん、ここです、蓮舫大臣はここに車をつけて練り歩きをスタートします!」
とアナウンスする僕らを
「言うんじゃねーよ! 警備しづらくなるだろ」
ってな目で睨みつけてくるからやりにくい。
そして蓮舫大臣ご到着。
ここからが練り歩き20分勝負だ。蓮舫大臣を一目見たさに、歩行者の皆さんは殺気立っている。さっきまで銀座の街を上品に歩いていたマダムやシロガネーゼたちが、なりふりかまわずおしくら饅頭。 「痛い痛い、ちょっと、なんなのよ、あんた!」
と怒っているマダム。見ればSPが
「すいません」
と謝っている。さすがマダム。
そして、もう1人、スペシャルゲストの野田佳彦財務大臣が銀ブラの応援に駆けつけて来てくれた。
「野田大臣も今日は来てくれてるから、蓮舫さんの後方を歩いてもらおう」
と手塚さん。実際、蓮舫選対のスケジュールから応援弁士の手配まで手塚よしお蓮舫選対総括責任者が取り仕切っていた。
ところが、蓮舫大臣が前方を歩くと、人だかりは蓮舫大臣のもとへ。
「蓮舫です。ただいま、蓮舫が皆様のもと、銀座を歩いております」
とアナウンスすると、たまらず手塚総括が
「おい、野田大臣のアナウンスもちゃんとしろ。1人で土俵入りしてるじゃないか!」
と一撃。
「わかりました。えー、前方は蓮舫、後方は野田財務大臣です!」
と言い換える。しかし、人混みで反応がいまいち。もう一度、言い換えて
「えー、前方はひときわ顔の小さい蓮舫大臣、後方はひときわ顔の大きな野田大臣です。どちらもご覧下さい!」
と言ったら、若干歩行者の耳に届いた反面、
「こらっ! 財務大臣に失礼だろ、不敬罪だ」
と手塚総括からお叱りの声が飛んできた。
殺気立つマダムが左右から飛び込み、いかついSPが押し返す、その狭間で僕と手塚総括が導線を確保しつつ進む。後方の野田大臣を目で追いつつ。
史上最高の約170万票も獲得する選挙の練り歩きは、なんとも壮絶なものだったのでした。

内野席・外野席

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