衆議院議員手塚よしおWEB。立憲民主党 東京都第5区(世田谷)。都議1期、衆院5期、元内閣総理大臣補佐官。現在、立憲民主党幹事長代理、東京都連幹事長など。

2015年8月6日 内野席「軍靴の音が聞こえてきた」伊藤 悠

すぐそこから軍靴の音が聞こえてきた。
もう、いつ読んだ、なんの本の一節だったかも覚えていませんが、日本の戦前から戦中へ、迫り来る戦争へのカウントダウンを描写した印象的なその表現を最近思い出します。
今の日本も怖い時代になりました。
ほんの10年前に「集団的自衛権の解釈変更」を総理大臣が口にすれば、それだけで内閣は吹っ飛んでいたはずですが、この1~2年、憲法学者の小林節先生も
「無茶苦茶なロジック」
と批判する議論が安倍内閣ではまかり通っています。
実は、私が政治の世界に入って、戦争と政治について、鮮烈な印象をもってその議論を聞いたのは、12~3年ほど前だったと思います。
ある民主党参議院議員が迫力をもって、論陣を張りました。
大橋巨泉さんです。
巨泉さんを擁立したのは、当時衆院議員だった手塚さんで、私は当時、手塚さんの運転手でした。
巨泉さのご自宅は千葉にありましたので、私がご自宅までお送りすることもあり、ご自宅近くのお寿司屋さんでご一緒させていただいたこともあれば、当選後、手塚さんと巨泉さんが会食される際に同席する機会にも恵まれました。
時は小泉内閣。郵政民営化と共に、大きなテーマがアメリカの同時多発テロに対する日本の対応でした。
アメリカが早々に報復を表明する中で、国会でもテロ非難を決議するのですが、この時、唯一民主党で反対したのが大橋巨泉さんでした。その理由は「アメリカを支持する」との文言が入っていたからだったと記憶しています。
当時の私は「?」でした。誰もが被害者であるアメリカを支持し、その報復戦争まで支持していたからです。
しかし、今思うと、巨泉さんのお考えの中に、テロを非難することと、報復戦争を是認することになるアメリカへの支持表明は一線を画すべきとの認識があったのではないかと思います。
もう一度、今考えると…と付け加えますが、巨泉さんは、私たちが知らない2つのことを知っていたのではないでしょうか。
西洋で長く生活しただけに、アメリカ人が考える世界観、日本への現実的な眼差しを知っていたこと。そして、戦争を体験し、その悲惨さを知っていたこと。
実は、安倍総理が本当に理解しているのだろうかと不安に思う、この2点を極めて最もシビアに見つめていたのが巨泉さんであり、9条を守ろうとする多くの政治家ではないでしょうか。
国会では議論百出で、与党が理屈をこねくり回している様相ですが、戦争を知る世代の声に耳を傾け、アメリカの世界観をもう一度冷静に考えてみることが今必要なのではないかと感じてやみません。
議論は、巨泉さんがいた良識の府である参院に移りました。良識の府たる議論がなされることを望みます。

内野席・外野席

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