衆議院議員手塚よしおWEB。立憲民主党 東京都第5区(世田谷)。都議1期、衆院5期、元内閣総理大臣補佐官。現在、立憲民主党幹事長代理、東京都連幹事長など。

2010年2月1日 外野席「憑依目指して~2010夏~」中村公太朗

 人は時たま他人のようになりたいと願う。偉大な父親の背中を追いかけ、憧れの先輩を真似し、芸能人と同じファッションを身に着け、目標に少しでも近づけるように努力する。
 しかし本人の意識するところとは全く関係なく他人に間違われるケースも、広い世の中確かに存在する。
 ひとつは「タレントの○○にそっくり~」なんて合コンで盛り上がるレベルではなく、全くの赤の他人だが外見がいわゆる「激似」しているケース。生き別れた双子だかドッペルゲンガーだか詳しい事情は知らないが、ほとんどの御仁は経験することない中で、しかし確かに報告される稀少な例。
 そしてもうひとつが、雰囲気が似ているケース。つまり醸し出すオーラをはじめ、話し方やしぐさなど、対峙する人を惑わせるほど同じ空気を身にまとっている場合。
 このセカンドケースは巷でちらほらと見かけるけど、とくに大量生産されるのはまさに政治家の秘書である。つまり多くの時間をともに過ごしたり、本人に成り代わって代理の作業をするにつれ、意図せずどんどんとボスに似てきてしまうのだ。
 証明するため、身近なサンプルを提供する。
 地元担当で最も有権者と接する渡辺秘書は、
「手塚さん、自分でポスター貼って、本当に偉いわねぇ」
と声を掛けられた回数は両手両足の指を合わせてもとても足りない。土橋秘書なんかは運転席に座っていても代議士本人に間違われる。この現象が手塚さんの減量後にも続いていることは、錯誤の原因が外的要因でないことを証明している。
 知る人ぞ知る秦元秘書の姿は誰が見ても異形であったが、やはり何度か手塚さんだと思われて話しかけられていた。群馬で頑張る蓮市議も、いまだに東京5区入りする度に握手を求められるという。
 こうして次々と産み出されていく「くりそつ」秘書が、より分身に変わるのが選挙である。
 つまり日常的にそれぞれの役割分担で動いていたのが、大きな目標に向かって一気に燃え上がり、気持ちと行動がひとつになることで、もうどこに行っても候補者本人みたいな状態になって傍から見ればどれが候補者か分からなくなる。
 これを候補者が「憑依」した状態と呼ぶ。スタッフがこのモードに入ると強い。なんてったって自分の手足が増えたような千手観音状態だから、何倍もの有権者と握手し、多くの現場に足を運べるのと同じ効果を得たも同然。さらに憑依スタッフはテンションがMAXで疲れ知らない。さらにそのスタッフに引き摺られるように周りのスタッフもモードオンしていく。憑依が憑依を生んでいく訳だ。
 選挙においては「憑依」こそ最強のツールなのかも知れない。するとなると、今夏の戦いはどれだけの憑依を増やせるかが鍵となる。選挙に絶対は無い。いやむしろ「空けてビックリ玉手箱」は社会一般の出来事に比べたらだいぶ多いと思う。
 絶対に「1番でなくてはならない」戦いを前に、蓮舫さんが1日も早く舞い降りてくるように、今から全力を挙げていく。6年前の首の痛みを思い起こしながら。
 最後に、45歳を迎えてなお韓流スターの髪型を真似て東方神起を熱唱する目黒の松田区議に、その趣味嗜好と方向性は誰にも理解の届かない高みにあるけれど、とにもかくにも誰より早い夏の憑依を願おう。
「松田さん! 蓮舫車の運転席、まだ空いてるみたいですよ!」

内野席・外野席

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