衆議院議員手塚よしおWEB。立憲民主党 東京都第5区(世田谷)。都議1期、衆院5期、元内閣総理大臣補佐官。現在、立憲民主党幹事長代理、東京都連幹事長など。

2006年7月19日 内野席「運命自招」伊藤 悠

先週末、世田谷区選出の櫻井良之助都議が逝去された。急の訃報であった。享年66歳。あまりにも早すぎる死にお悔やみを申し上げたい。心より御冥福をお祈りいたします。
身近な政治家の急死。実は僕にとって稀な出来事ではない。凶刃に倒れた石井絋基代議士、薬師寺克一目黒区長の急死。いずれも予想外の出来事であった。
しかし、この業界の特性は葬儀よりも、選挙にあらわれる。不幸を悲しむ暇も与えられず、関係者は来る補欠選挙に備え準備を始めなくてはならない。非道かもしれないが、死後40日以内に選挙を実施しなくてはならない区長選挙に至っては49日を待たずに選挙が行われる。なんとも無作法なものだが仕方ない。
ただし、補欠選挙の実施時期はその種類によって大きく異なる。国政は4月と10月に欠けた議席を選挙する。地方議会は定数の3分の1以上が欠けた場合を除いて単独の補欠選挙を実施しない代わりに、首長選挙、すなわち今回の例でいえば、都知事選挙が行われるときに、合わせて補選が施行される。
都知事選挙は来年4月8日。つまり、定数1議席を争う世田谷選挙区の都議会補欠選挙が実施されることになる。
しかし、補選は有利か?不利か?この問いかけは難しい。
直後に本選挙が想定される場合には、負けても名前が売れるというメリット。政党の名前が前面に出る選挙なので、候補者の経済的負担が少なくて済むというメリットがある一方で、自分の努力ではどうにもならないというリスクが伴う。
候補者はといえば、急を告げる選挙で白羽の矢が立つのは、先の本選挙で涙を飲んだ浪人生であることが多い。
それは同時に、抗えない選挙結果を受け止めなくてはならないというリスク含みの決断になる。
寿命と同じようなものだと思う。
60万人以上の有権者を相手に1議席を争う選挙。こればかりは人智を超える。
寿命もまた抗えぬ運命であり、その寿命がもたらした補欠選挙の結果もまた、人智を超えた運命としかいえない。それでも僕らは日頃の「努力」という行為で、自分を励まし、有権者に訴えていくしかない。
運命自招を信じたい。運命は自ら招き、境遇は自らつくる。
昨年の7月、都議選に負けたその日から、志を折ることなく弛まない「努力」続けてきた男の結果を信じたい。

内野席・外野席

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