衆議院議員手塚よしおWEB。立憲民主党 東京都第5区(世田谷)。都議1期、衆院5期、元内閣総理大臣補佐官。現在、立憲民主党幹事長代理、東京都連幹事長など。

2007年4月4日 内野席「議員の鏡」伊藤 悠

目黒区には今年、惜しまれながら勇退される政治家がいる。目黒区議会議員の下岡こうじ氏だ。
区議会議員の鏡とも区議会の良識とも言われ、支援者をはじめ役所の職員、歴代の区長から頼りにされてきた政治家だ。
8期30年以上の区議会議員生活を送られてきた下岡先生が最後に残した言葉は、
「政治家は最後の引き際を決めるのも大事な責任なんだよ」
だった。
下岡先生と初めて出会ったのは忘れもしない目黒区内のある料理屋。それは当時当選7回を数えるベテラン区議に、衆議院当選前で浪人中の手塚さんが初めてゆっくり食事をし、今後のご支援をお願いする場面だった。
手塚さんが都議会議員を辞め、最初の衆院選挙で負けた時のことを振り返って話をすると、下岡先生は何かを思い出したように言葉を返した。
「選挙というのはねえ、本当に分からないことがいっぱいあるんだよね。運というのもあるしね」
と言われた。
下岡先生は過去に3度都議会議員選挙に挑戦している。3度とも当時所属していた民社党公認での戦いだったので、自民・社民の55年体制下では当選に届くことなく苦杯を舐められた。それだけに、1993年の新党ブームで都議会初当選を果たした手塚さんの姿に、人の力の及ばぬ「運」を感じるところだったのではないか。
「しかし」と言う。区議会に戻って誠実にやっていると、多くの支援者が集まってきてくれて、自分の果たすべき仕事がちゃんと見つかるのだと。きっと、こう言いたかったのではないかと思う。政治家は大きな夢を持って向上心を抱くことも大事。しかし、運という人智の及ばないものもあって、その宿命を素直に受け入れ、誠実に社会奉仕を行なっていくこともまた資質なんではないかと。
下岡先生の人柄にはいつも「誠実さ」が付いて回る。人に対する誠意。宿命に対する誠意。社会貢献に対する誠意。そして最後に、自分に対しても誠実であった。引き際を見失う前に辞めたい。それが、自らの身を律し続けたいと願う自分への誠意だったのではないかと思えてならない。
今年の4月は多くの新人議員が誕生する。その一方で、長い議員生活にピリオドを打つ政治家がいることを忘れず、我々若手の議員はその多くを学ばなければいけない。

内野席・外野席

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