私が最近読んだ、直木賞作家の佐藤賢一が描く近未来小説「アメリカ第二次南北戦争」を紹介したいと思います。2013年、ダラスを訪問中だった史上初の女性大統領マクギルが暗殺され、副大統領のムーアがこれまた史上初の黒人大統領に就任し、白人優位主義が根強い南西部諸州が反発。さらに新大統領は腹案だった銃火器規制法案を強行し、そのことが全米銃火器協会(NFA)を刺激し、国家を二分する事態を招きます。主人公であるジャーナリストの森山が取材を進めながら、現在の日米関係の本質に切り込んでいく展開は、ありえないと思いながらも、何ともリアルで引き込まれます。日本とって特別な同盟国であるアメリカについて考えさせられる読み応えのある力作で、ご一読をお薦めします。18:25