昨日の午後、ふらりと六本木ヒルズシネマに行って来ました。注目をしていたスピルバーグ監督の「リンカーン」を鑑賞するワクワク感と、平日の真っ昼間に出かける罪悪感とがぶつかる心の葛藤もありましたが、本当に素晴らしい映画でした。田舎町の貧しい家庭に生まれ、母と早くに死別。学校にも行かず様々の職を転々としながら、独学で弁護士となり、初めて選挙に出馬した時は49歳。しかも落選。その後、第16代大統領に就任し、奴隷解放という19世紀の歴史的偉業を実現し、その直後に暗殺されるという、エイブラハム・リンカーンの波乱万丈の生涯。ただ、この映画では、リンカーンが2期目の大統領選に勝利し、永久に奴隷制度が禁止される「憲法修正第十三条」が、反対派の多かった下院で可決されるまでの数ヵ月間を描いています。揺るぎない信念で反対派を説得したり、手練手管の限りを尽くした議会対策など、そこは2時間半に及ぶ圧巻のヒューマンドラマになっています。テーマも時代背景もまるで違いますが、昨年、社会保障と税の一体改革法案を成立させるに至る野田総理の悪戦苦闘と重ね合わせ、一人で感慨に浸ってきました。大型連休に向け、お薦め映画の紹介でした。12:55