約2ヵ月間という短い会期の臨時国会でありながら、国会対策の現場ではとりわけ長く感じた補正予算の審議は、紆余曲折ありながらもようやく衆議院を通過し、論戦の舞台は参議院へと移りました。この際、予算審議の大きなハードルとなった、海上保安庁職員のビデオ流出事件についての私見を少々。少なからぬ国民が菅政権の中国への対応を弱腰だと感じている中、43歳の保安官の行動が国を憂えた内部告発ととらえ、半ば英雄視する報道やコメントをしばしば耳にしてきました。しかし、自衛隊同様、海上保安庁は武器を持つことを許される実力部隊であり、その動機がどういうものであったとしても、政治の統制から離れた保安官個人の勝手な行動が許させるはずがありません。ましてや、偏狭なナショナリズムを背景にその行動が賞賛されるようであるならば、我が国の歴史を鑑み、少々危険な風潮だと警鐘を鳴らすべきだと思います。異論反論もあるかと思いますが、ここは政治家として黙っていられるところではありません。8:20