衆議院議員手塚よしおWEB。立憲民主党 東京都第5区(世田谷)。都議1期、衆院5期、元内閣総理大臣補佐官。現在、立憲民主党幹事長代理、東京都連幹事長など。

2010年12月1日 内野席「ノーモア選挙カー」伊藤 悠

選挙といえば、選挙カー、誰もがそう思っていた。
白い手袋をはめたウグイス嬢が柳のように手を揺らし、候補者が自分の名前を連呼する。これが選挙だと思われてきた。しかし、ちょっと待った!この選挙。どうにも世間ずれしてはいないだろうか?と立ち止ったのは僕ら目黒の民進党だった。
土日の静寂をぶち壊し、鈍足運転で長蛇の渋滞を作っている選挙カーが
「街をよくします。住み続けたい目黒にします」
って絶叫するんだから、
「いい加減にしろ!」
って有権者が、選挙にうんざりするのは当然だ。
そこで、始まった「NO!選挙カー」運動。今から8年前の区議選だった。
「車の代わりに自転車で回る!」
って言ってみたものの、チャリンコこぎながら地声で絶叫したら1日で声が世良公則状態。こんなことを続けたら選挙にならないと、チャリンコにマイクを取り付けて走り出そうとすると、にわか仕立ての不安定さで走行不能。
「だいたいこれじゃ、音が出るんだから選挙カーと変わらないじゃないかって」
ツッコミまで受けて、やっぱり断念。
結局、落ち着いたのは、桃太郎遊説だった。マイクを肩からぶら下げて、のぼりを持ったスタッフとともに練り歩く。きび団子は食わさないまでも、その姿が桃太郎そっくりということで、業界用語に定着している桃太郎遊説を貫徹した。
利点1、マイクの音量を下げて歩くから、騒音にならず、渋滞にもならない。
利点2、それでも「うるさい」と怒られた場合に、徒歩で「すいません」と謝る姿が同情を誘う。
利点3、車の乗り降りがないので、すぐに握手できる。
利点4、お金がかからない。
「なんだ、いいことばかりじゃないですか!僕もやりますよ」
ってはじめたのが、目黒区議会新人チームだった。4年前に立候補した民進党の目黒区議会議員候補4名が、利点ばかりを鵜呑みにして「NO!選挙カー」運動に参加したのだ。
ところが、やってみてわかる欠点もある。天災に見舞われたのだ。寒かったのだ。4年前の春は花粉も飛ばない極寒で、車のない選挙ほど悲惨なものはなかった。
車のない候補者たちは、「NO!選挙カー」のノボリがはためくなか、戦車のない歩兵部隊ごとく、隠れ場もなくマイク1本で身を凍えさせていたのだ。
「伊藤さん、辛すぎますよ~」
新人候補が愚痴るそばで、
「みなさま、ご支援よろしくお願いしまーす」
大音量で行き交う他候補の選挙カー。助手席で手を振る余裕の候補者。よく見れば、
「あっ!膝に毛布かけてますよ、伊藤さん!あったかそー」
だって。羨ましがる気持ちもわかる。
「苦しい思いをして、初めて味わえる当選の喜びがあるんですよ」
なんて言ってみても、まさに寒いだけ。
いいことばかりじゃない「NO!選挙カー」運動だけど、これぞ民意と受け止めて、この統一地方選挙でも実践者が1人でも増えるように働きかけをしていきたい。

内野席・外野席

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