衆議院議員手塚よしおウェブサイト。立憲民主党 東京都第5区(目黒・世田谷)。都議1期、衆院4期、元内閣総理大臣補佐官。現在、議運筆頭理事、国対筆頭副委員長、都連幹事長など。

2004年6月7日 「手塚学校卒業課題」岸本桂司

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 2004年4月。就職活動。大学入学当時にはあたかもタイムマシンの発明と同程度なほどに遠い未来のことと捉えていたものが、その時まさに、我が身に重く圧し掛かっていたのです。これは、親のすねをかじり尽くした一人の大学生の、荒涼たる社会への扉の鍵を手に入れるための闘いの記録です。
 場所は某企業東京本社の一室。居並ぶ4人の面接官が私をじっと睨み付けています。他社では連戦に連敗を重ねていたものの、なぜか第一志望のこの企業だけは最終面接に残っていました。ここまで来たからには絶対に内定をもらってやる、と内なる闘志を胸に秘め、面接はスタート。面接官が矢継ぎ早に厳しい質問を浴びせてきます。私は思考をフル回転させて一つ一つ丁寧に質問に答えていきました。
 面接が終盤に差し掛かった時です。
「アルバイトは何かしているの?」
との面接官の問い。待ってました、と言わんばかりに、私は手塚事務所での今までの活動の経緯を時系列に説明していきました。華やかな政治の世界を想像し、インターン生として飛び込んでみたものの、与えられた仕事はポスティングやポスター貼りといった地味な作業ばかりが続いた日々のこと。街頭宣伝カーを全く使用しない選挙活動の方法に驚き、駅頭で演説する手塚候補者の傍らでマニフェストをひたすら配っていた総選挙のこと。そして、五本木事務所で選挙結果の速報を今か今かと待ちわびていた時「手塚よしお当選確実」とのテロップがテレビ画面に映し出された瞬間のことなど。面接官は興味深そうに耳を傾けています。これはもらったな、と私は心の中でほくそ笑んでいました。
 しかし、次の質問で状況は一変してしまいました。
「君自身は、政治の世界に進むつもりはないの?」
私はその瞬間、体内にある、ありとあらゆる細胞が一気に壊死してしまったかのように思考が停止してしまいました。実際、答えは既に出ていました。政治家になるつもりも、政治家秘書になるつもりも無い。ただ、なぜそうなのかを問われると答えに窮するのです。「進むつもりはありません」
と答えた後、面接官は私の心を見透かしているかの如く、その理由を聞いてきました。
「37歳の新進気鋭の政治家を間近に見て、既存の手法を打ち破ろうとする姿に感銘を受けながらも、なぜ政治の世界への道を自ら遮断してしまうのか?」
と。さあ、困った。今この場所で考えて、答えが出るようなものではありません。とにかく話題を変えなければ。そう思った私は、頭が混乱していたために何と返答したかは詳細に記憶していませんが
「ないものはないんです」
といった類のことを言って強引にその場を切り抜けました。
 面接が終わり、帰りの電車の中で考えてみました。後日、ベッドに横になって考えてみました。そして、今、この「秘書日記」を書きながら考えています。しかし、未だに答えは出ていません。政治への興味は強いですし、日本の将来を本気で憂いている政治家を本当に魅力的だとも思います。ですが、始めに結論ありきではあるものの、政治の世界に身を投じようとは現時点では思っていません。ただ「不向きだから」といった単純な理由では終わらせたくはありません。おかげさまでその某企業から内定を頂き、社会への扉の鍵を手に入れることはできました。その扉を開ける時まで残り10ヶ月余り。長いようで短いであろう手塚代議士とそのスタッフをライブで感じられる、その間に答えを見つけ出すこと。それが自分に課せられた課題です。この課題をやり遂げない限り、せっかく手に入れた鍵は、鍵穴に差し込まれることを拒んでしまうのかもしれません。

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