衆議院議員手塚よしおウェブサイト。立憲民主党 東京都第5区(目黒・世田谷)。都議1期、衆院4期、元内閣総理大臣補佐官。現在、議運筆頭理事、国対筆頭副委員長、都連幹事長など。

2008年7月1日 外野席「後期高齢者医療制度の現場から」蓮 孝道

 群馬県みどり市にも本格的な梅雨が到来した6月下旬。地元の公民館で、寿(ことぶき)大学という高齢者を対象とした生涯学習授業が開かれた。市の教育長から依頼され、僕はそこで30分間の講演をする機会をいただいた。講演内容は「後期高齢者医療制度」。
 生を受けてから、世田谷区で過ごした5年間を除いてずっと生活をしている故郷は、高齢化率30%を超えている。もちろん市内で最も少子高齢化が進んだ地域であり、まさにザ・日本の山村といった具合だ。毎朝毎朝、テレビのスイッチを入れれば、みのもんたが真っ黒な顔で後期高齢者医療制度を切りまくっている。そんな時勢に議員が高齢者を前に話しをするとなると、これを避けて通ることはできないわけだ。
 当日、田舎の年寄りは気が早いのか、開始30分前には50席ほど用意されたイスは満席になった。講演の準備のためにパソコン片手にいそいそと会場に入った僕に、どす黒い怨嗟の視線が突き刺さる。正面に貼り出された式次第にでかでかと「後期高齢者医療制度」の題名と僕の名前が書かれている。
「まったく後期高齢者なんて言われたくないよね」
「あたしら75歳以上は姥捨て山に放り出されるんだとさ」
 呪いの声がとぐろを巻いている。僕がつくったわけじゃないんだが、間違いなくこの場で悪者に違いない。
 講演が始まる。こういった話はしょっぱなの掴みが肝心だ。そこで先輩議員から事前に教えてもらったギャグを披露してみる。
「年間に国民の医療費が32兆円。そのうち老人医療費が11兆円を占めています。1兆2兆たって、豆腐の話じゃねぇんだよ。おばあちゃん」
 まったくうけやしない。よくよく考えるとこんなギャグは目黒の松田さんだって言いやしない。
 地元のじいちゃんばあちゃんを相手にする講演だ。事前に学習したのはなにも寒いギャグだけではない。市の担当者をつかまえてみっちり後期高齢者医療制度のレクチャーを受けた。年金からの天引き、2年毎に改定される保険料、75歳以上の高齢者を家族にもつ世帯の総支払い保険料額が上がること、そもそも何で75歳で異なった保険制度をつくったのか。挙げれば切りのない疑問点を担当者にぶつけた。しかし市の担当者から納得できる答えは返ってこない。高齢者だけじゃない、一番混乱しているのは地方自治体の職員なのだ。
 毎日、市民と向き合い直接説明責任を負う地方自治体の悲哀を霞ヶ関はわかっているのだろうか。政権延命のためにコロコロと制度改正をしたそのつけを現場の地方自治体が払っていることを与党国会議員は知っているのだろうか。
 講演が終わる。制度の問題点も、市の担当者から教わった説明も一通り伝えることができた。
「蓮くんねぇ。年寄りの保険をどうするか、次の選挙はしっかり見てやんなきゃダメだいね」
 あるおばあちゃんは僕にこういった。田舎の年寄りは甘くない。自民党は牙城にあぐらをかき続けていると、その石垣から崩れ去ることを知らなければいけない。

内野席・外野席

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