衆議院議員手塚よしおウェブサイト。立憲民主党 東京都第5区(目黒・世田谷)。都議1期、衆院4期、元内閣総理大臣補佐官。現在、議運筆頭理事、国対筆頭副委員長、都連幹事長など。

2005年2月15日 内野席「板前ものがたり その2」伊藤悠

「まだまだ寒いねぇ。おっ見えてきたぞ」
「オヤジさん、自分、手塚のオヤジさんの店にお邪魔するの初めてです」
「そうかい。東京進出の際にはお世話になるお弟子さんたちがたくさんいるから、お前さんもかわいがってもらえるようにな。いいか、弟子の公太朗には毛の話はくれぐれも禁句だぞ。それと松田の番頭さんには嫁の話は気の毒ってもんだからなぁ。そうそう、春には難しい話はご法度だ。お前さんの方がちんぷんかんぷんになっちまうからなぁ」
「はぁ、何のことだかさっぱり自分にはわかりませんが・・・」
 今宵も夜がふけ、店じまいを迎える頃、最近弟子入りした新弟子の斉藤を連れだって、今月もオヤジさんの店を訪ねることにしたわけです。
「あれ、こんな時間なのに誰か出てきますね。お客さんですかね?」
「おっと、ありゃ稲垣の兄さんじゃねえか。ずいぶん背中丸めて出てくじゃ・・・、あれれ、見送りに出てるのは食中毒出して営業停止中の小野の兄さんだぞ。稲垣の兄さんの背中たたいてるところ見ると、なんだか励ましてるみてえだな。さて、俺たちも店に入るとするか」 
 仕舞われた内側の暖簾をくぐって、持参した一升片手に座敷に座れば、明日の仕込み支度をしている若い衆まで手を止めて車座の出来上がり。話途中の前回の興がすっかりよみがえってきたました。
「話の前にそういえば、さっき稲垣の兄さんが店きてただろ。何か用あったんかい?えっ公太朗」
「それが、ちと世田谷の店を合併するとかしないとかでオヤジさんを怒らっしゃいましてね。オヤジさんもそれは凄い剣幕で、暖簾返すか、ハンディーキャップ返すかどっちかにしろ!って。聞いてるこっちもビビっちまうぐらいで・・・」
「で、どっちだ?暖簾かハンディーか?」
「そしたら、稲垣の兄さん思いつめて『ハンディーもっとくれ』って。みんなひっくり返っちまって、俺なんか持ってた柳刃包丁でオデコ剃っちまいましたよ」
「そうか、そいでお前そんなおでこに。そりゃ気の毒だったなぁ」
「兄さん、それより前回の続き頼みますよ。鳩山の大オヤジさんに何言われたのかって、店じゃ1ヶ月持ちきりだったんですから」
「わかった、わかった。今日は『神童』っていう広島の名酒を持ってきたから、おいそこの頭の揺らしてる春、一杯入れてくれ。そうそう、お前さん、オヤジさんに島で店だしてぇって言ったらしいな?身の程知らずもほどほどになぁ」
「へぇ、すんません。なんせこの世界は25歳になるとついつい・・・」
「さてと、前回は鳩山の大オヤジさんのところに行ったら、小沢の兄さんが接客してくれて、鳩山の大オヤジさんがお見えになるかもしれねえってとこまでだったよな。そうだよ、思い出すだけでも緊張してきたぞ。ところが、なんのことはねぇ、小沢の兄さんだけが戻ってきたんだな。手に何か抱えてな。これが問題のモノだよ。えっ、何って。兄さん言ったね『鳩山家に届きましたキンキでございます。鳩山が是非手塚さんへ、とのことです。』ってな。ぽっかりお腹が裂かれたキンキが6枚ラップに包まれて出てきたわけよ。キンキといえば焼き魚の王様よぉ。さあ、みなさんこれからどうする?えっ?『ありがとうございます』ってお礼をする?おい、誰か春をつまみ出してくれ!」
「いいか、キンキが6枚だぞ。オヤジさんは海外に行っていて1週間は帰ってこない。キンキに聞いたら『おいら1週間ももたねえよ』って顔してやがんだなぁ。困っちまったよ。その場はお礼だけして、車に乗り込むこと30分考えたね。さぁ、みんな知恵の出し合いといこうじゃねえか」
「兄さん、やっぱりここは冷凍ですよね。腐ってもキンキじゃ、シャレにならんですもんね」
「さすが公太朗。だが冷凍は正解への第一歩だけど、まだまだだな。いいかい、手塚のオヤジさんも、帰国して冷凍庫に6枚もキンキ入ってても食い切れんだろ。さぁどうする?答えがとまっちまったぞ。おい、斉藤、みんな頭が揺れてきちまってるから今日はこの辺で失礼するぞ。小野の兄さんでも戻って来たら、夜が長くなっちまうからなぁ。また来月お邪魔するからそれまでにちゃんと考えておくんだぞ」(続く)

内野席・外野席

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